エディテージ・グラント2024次点を受賞-小川 光江さんにインタビュー

エディテージ・グラント2024にて次点に入賞した小川 光江さんに、入賞した喜びやご自身の研究について、グラントに応募して感じたことなどを語っていただきました。

小川 光江さんプロフィール
Mitsue Ogawa


看護師として児童精神科と小児科に勤めた経歴があり、9年の臨床経験と教員経験がある。養護教諭の資格も持っている。
現在は修了に向けて博士論文を執筆中であるため、研究室と自宅を往復する生活となっているが、時間ができたら美術館やバレエ鑑賞に行きたいと思っている。また、時代劇も好きなため、チャンネル契約をしようか悩んでいる。

Mitsue Ogawa

受賞した研究内容について

私の研究テーマは、「高校生のメンタルヘルス・リテラシーに関する研究」です。メンタルヘルス・リテラシーは、メンタルヘルスに関する情報を取捨選択する能力のことであり、教育によって高めることができます。2024年度は、子どもの自殺者数が過去最多となり、教育現場では自殺予防教育への関心が高まっています。2022年度より高校保健体育の教科書にも精神疾患の記述が再掲されましたが、全ての高校において教育が行われている訳ではありません。私が今回受賞した研究では、生徒への精神保健教育の有効性を示しましたが、今後はより多くの生徒が教育の機会を得られるようになるために、多角的に要因を分析して根拠を蓄積していきたいと考えています。

エディテージ・グラント2024次点を受賞して

この度は、エディテージ・グラント2024次点賞をいただき、光栄に思います。研究費の獲得が難しくなっている現状において、支援を頂いたことは非常にありがたく、自身の研究が評価されたことが大変励みになりました。論文を投稿するにあたり英文校正は欠かせないものであるため、頂いた次点賞は大切に使わせていただきます。

ご自身の研究について

児童精神科の看護師として勤務していた時に、入院していた生徒が在籍する学校の先生方と面談をしたことがありました。その際に、精神疾患をもつ生徒の復学について建設的な話合いをすることができず、学校の先生方の精神疾患への認識にも疑問を持ちました。さらに、同僚に相談したら、「学校の先生たちも精神疾患について勉強して授業で教えるべきだよ」という意見を聞き、この分野に興味を持ちました。

今回受賞した研究は、高校生を対象とした精神保健教育の有効性を示すものでしたが、予備調査の段階で学校側が抱える事情や保護者側の認識の違いも明らかになりました。教育プログラムを改訂していくと共に、今後は多角的な視点から問題を捉え、市民教育へと発展させていきたいです。

大学院に入学してから7年が経ちますが、教育環境や研究費の厳しさが年々増していることを実感しております。博士号を取得してからの研究者としての道のりは、大変険しくなることが予測されますが、地道に研究を続けて成果を発表し、後進の教育に携わっていきたいと思います。

エディテージ・グラントに応募した理由

研究室宛に届いた郵便物の中にエディテージ・グラントの広告があり、准教授に勧められて応募しました。おかげさまで、学会発表や論文投稿にかかる費用に充てることができました。

グラントへの応募にあたり、苦労したことや工夫したこと

エッセイを書くことが初めてだったため文章表現に苦労しましたが、初めて読む方にも意図が伝わるように、自身の研究内容の表現を分かりやすくするように心がけました。指導教員や留学生からの助言も得て完成させました。

エディテージ・グラントに応募してみて感じたこと

応募方法に関しては当初、研究計画書ではなくエッセイであることに戸惑いましたが、書いていく中で自身のアピールポイントを明確にすることができ、文書を書くスキルが向上していくことを実感できました。助成金の用途に関しては、多くのものは規定が厳しく制限がありますが、御社の助成金は報告義務がなく、使用できる幅も広くて手間がかからないため、その分の時間を研究に費やすことができました。

エディテージ・グラント2024に応募するまでは、自身の研究内容が社会的にどのように評価されるのか、非常に不安に思っていました。一次審査、二次審査を通過して面接試験を受けた時には、緊張してしまったと同時に準備不足を実感致しました。セレモニーでは、研究テーマは異なるものの、自分と同じ志を持つ研究者と交流でき、大変刺激になりました。

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この記事を書いた人

2002年に設立された、カクタス・コミュニケーションズの主力ブランドであるエディテージの目指すところは、世界中の研究者が言語的・地理的な障壁を乗り越え、国際的な学術雑誌から研究成果を発信し、研究者としての目標を達成するための支援です。20年以上にわたり、190か国以上の国から寄せられる研究者の変わり続けるニーズに対応し、研究成果を最大限広く伝えられるよう、あらゆるサポートを提供してきました。
今日、エディテージは専門家によるサービスとAIツールの両方を用いて、研究のあらゆる段階で便利に、安心して使っていただける包括的なソリューションを提供しています。