フォーマットで損をしていませんか?
多くの研究者は、論文を書く際のフォーマットを「面倒な作業」と捉えています。しかし、優れた研究内容であっても、フォーマットのミスが原因で、研究内容を公表する前にデスクリジェクトされる可能性があります。
例えば、ジャーナルが行間はあけないように要求しているのに一行おきの行間にしたり、間違った参考文献スタイル(例えばVancouverではなくAPA)を使用したり、二重盲検査読のために著者情報を匿名化しなかったりすると、即座にリジェクトされる可能性があります。ある校正者は、ジャーナルが別ファイルとして提出を要求していたにもかかわらず、図表が本文内に埋め込まれていたため、論文をリジェクトしたと語っています。
この記事では、約70人の校正者を対象にした調査に基づき、一般的なフォーマットの落とし穴を指摘し、それらを克服するための実践的な解決策を紹介します。
注意すべき6つのよくあるフォーマットのミス
フォーマットのミスは、時間的制約、不明確なガイドライン、または最後にすべてを修正しようとしたことが原因で発生することがよくあります。校正者が指摘した6つのよくあるフォーマットのミスを以下に紹介します。
- スタイルの誤り:フォントサイズや種類、行間、ページの余白、その他の細かい設定に関する問題。
- 参考文献リストの不一致:本文と参考文献の間の不一致、誤った句読点、不適切なイタリック体使用など。
- 間違った、または古いテンプレートの使用:テンプレートは定期的に更新されます。前回の提出で使用した古いテンプレートを使用すると、途中でテンプレート変更に気づき、後で大規模な修正が必要になる可能性があります。
- 図表のラベルやキャプションの不一致:図表のラベルの欠落やキャプションの誤り。
- 補足ファイルの欠落、またはフォーマットの誤り:補足資料のフォーマットの誤りや欠落。
- ページ番号や段落フォーマットの誤り:ページ番号の誤りや段落フォーマットの不適切さ。
どこでつまずく? フォーマットで最も困難な作業ランキング
校正者たちに、フォーマットにおいて最も困難な作業について聞いてみました。回答数に基づいて以下のようにランキングされています。
1位 テンプレートの選択:ジャーナルに合わせた最新かつ適切なテンプレートを利用できていない人は意外に多いです。
2位 引用スタイルと参考文献の一貫性:引用スタイルと参考文献の一貫性を確保することは、手間のかかる作業です。
3位 図表の配置とフォーマット(DPI、キャプションなど):多くの人が、DPI設定やキャプションを含む図表の適切な配置とフォーマットに苦労しています。
4位 補足資料の管理:補足資料を適切に管理しフォーマットするのが煩雑に感じられることがあります。
よくある問題と解決方法:校正者から学ぶ3つの実践的なヒント
ヒント1:「適切なジャーナルテンプレートを見つけて使用しましょう」
- 必ずジャーナルの公式ウェブサイトから最新のテンプレートをダウンロードしてください。
- Wordテンプレートをベースに、見出し、キャプション、アブストラクトなど、ジャーナルの要件に合わせるためにスタイルを調整してください。
ヒント2:「ジャーナル専用のフォーマットチェックリストを作成しましょう」
- チェックリストは、フォントの種類、行間、図の配置、参考文献のスタイルなど、重要なフォーマット要素を漏らさないようにするのに役立ちます。
ヒント3:「フォーマットは最後ではなく最初から行いましょう」
コンテンツの編集を始める前に、テンプレートと基本的なフォーマットを調整することが重要です。これにより、再作業を最小限に抑え、文書全体の一貫性を確保できます。
結論:成功の鍵は「準備」と「習慣」
論文の第一印象は、そのフォーマットによって決まることがよくあります。適切なフォーマットは時間を節約し、修正依頼を減らし、リジェクトを防ぐことができます。研究キャリアの初期段階でしっかりとしたフォーマット習慣を築くことは、時間の経過とともに出版プロセスをストレスの少ないものにします。
また、フォーマットを執筆の不可欠な一部として扱うことで、論文の全体的な品質を向上させることができます。適切にフォーマットされた論文は、プロフェッショナルさと細部への配慮を示し、内容の審査前にあなたの論文を際立たせる要素となります。これらのヒントを適用することで、プロセスを効率化し、一般的なフォーマットの問題を回避できます。論文の作成における皆さんの成功を願っています!
ジャーナル規定に沿った論文のフォーマット調整、スタイルガイドに沿った大型原稿、
学位論文の調整もスペシャリストにおまかせ
