エディテージ・グラント2024大賞を受賞-友居 葉奈さんにインタビュー

エディテージ・グラント2024にて大賞に選ばれた友居 葉奈さんに、大賞に選ばれた喜びやご自身の研究について、グラントに応募して感じたことなどを語っていただきました。

友居 葉奈さんプロフィール
Hana Tomoi


大阪大学を卒業後、看護師として病院勤務。その後、厚生労働省、外務省などで国際保健政策に従事。その後、ロンドン大学衛生熱帯医学大学院にて修士号を取得、現在は同大学院の博士課程に在籍中。

ロンドン在住で、休日はイギリスの綺麗な景色や街を求めて出かけたり、テニスをしたりしている。

Hana Tomoi

受賞した研究内容について

日本では子宮頸がん予防に有効なヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種率が低迷しています。ワクチンを接種するか否かの意思決定には、個人の知識や認知だけでなく、国のワクチン政策、インターネット上の情報、家族の意見、社会規範、友人の接種状況など、多くの要因が影響します。私の研究では、思春期女子特有の接種の意思決定プロセスとその影響要因を深く理解することを目的としています。

エディテージ・グラント2024大賞を受賞して

栄誉ある賞を授与くださり、審査員の皆様、エディテージ・グラント運営の皆様に心より御礼申し上げます。私の研究トピックは少しニッチですが、エディテージ・グラントの皆様に研究の意義や必要性をご評価いただけたことが、とても嬉しかったです。

ご自身の研究について

私は、ワクチン忌避(ワクチンを接種するか否か決めかねている状態)やワクチン信頼(ワクチンや関係者・組織への信頼)という課題に関心を持っています。今回受賞したHPVワクチンの研究だけでなく、他のワクチンやワクチン全般についても、ワクチン忌避・信頼に関する研究や活動に幅広く従事しています。

エディテージ・グラントに応募した理由

エディテージ・グラントは、指導教員の先生に教えていただいて知りました。応募サイトを見てみると、若手研究者を支援すること、どんな分野の研究でも応募を受け入れていることが書かれていました。若手×新分野というまさにこれから花が咲くであろう研究に投資するグラントに魅力を感じ、ぜひエディテージ・グラントのコミュニティに入りたいと思ったことが応募した理由です。

グラントへの応募にあたり、苦労したことや工夫したこと

応募にあたって意識したのは、誰にでも伝わる文章を書くことです。というのも、これまで様々な研究者とお話する中で、同じ分野の研究者同士であっても、研究トピックが少し異なるだけで共通言語ががらっと変わる可能性があると感じているからです。自分の研究チーム内で使用している言葉をそのまま使うのでなく、誰が読んでも理解できる言葉・ロジック・構成で文章を書けるよう意識しました。また、一度書いた文章を指導教員など他の方に読んでいただきながら、仕上げていきました。

エディテージ・グラントに応募してみて感じたこと

私がエディテージ・グラントに関わる中で特に感銘を受けた点は、研究に真正面から向き合ってくださる「まなざし」です。特に比較的新しい研究トピックは、助成金を獲得しにくい傾向にあると感じています(個人的観測です)。しかしエディテージ・グラントは、そうした芽にこそ真正面から関心を寄せ、応援くださるプログラムだと感じました。例えば、私は受賞セレモニーの際に審査員の方に「困難なテーマにあえて挑む姿勢を応援したい」と温かい言葉をかけていただきました。これまであまり取り組まれなかったテーマに挑戦する孤独さ・不安さを理解くださったこと、そこに応援の手を差し伸べてくださったことは、助成金以上の力になっています。このような素晴らしいグラントから大賞を頂き、心より感謝しております。

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この記事を書いた人

2002年に設立された、カクタス・コミュニケーションズの主力ブランドであるエディテージの目指すところは、世界中の研究者が言語的・地理的な障壁を乗り越え、国際的な学術雑誌から研究成果を発信し、研究者としての目標を達成するための支援です。20年以上にわたり、190か国以上の国から寄せられる研究者の変わり続けるニーズに対応し、研究成果を最大限広く伝えられるよう、あらゆるサポートを提供してきました。
今日、エディテージは専門家によるサービスとAIツールの両方を用いて、研究のあらゆる段階で便利に、安心して使っていただける包括的なソリューションを提供しています。