エディテージ・グラント2023大賞を受賞-中村 尚司さんにインタビュー

エディテージ・グラント2023にて大賞に選ばれた中村 尚司さんに、大賞に選ばれた喜びやご自身の研究について、グラントに応募して感じたことなどを語っていただきました。

中村 尚司さんプロフィール
Shoji Nakamura


2021年3月 九州大学 薬学部臨床薬学科 卒業
2021年4月 九州大学病院 薬剤部 入職
2022年10月 九州大学大学院 薬学研究院 臨床薬物治療学分野 社会人博士課程 入学
現在に至る
口数が少ないため「落ち着いている」と言われることが多いが、頭の中ではずっと色々なことを考えており、自身では忙しない人間だと感じている。趣味は読書。小説や評論、エッセイ、句集、画集など、本屋で目についたものを色々読み漁っている。緊張に耐えられる心臓であるため、週1回、強度高めのランニングで心臓を鍛えている。

受賞した研究内容について

造血細胞移植で主要な免疫抑制剤であるタクロリムスの効果の個人差に関する研究を行っています。移植治療は血液疾患の最後の砦とも言われますが、その副作用である移植片対宿主病の克服は依然として課題です。本研究は、タクロリムスの作用点であるリンパ球における薬物動態の違いに着目して、その免疫抑制作用の個人差を解明することを目的としています。

エディテージ・グラント2023大賞を受賞して

受賞するとは露ほども思っていませんでしたので、嬉しい限りです。戴いた賞は勿論ですが、授賞式、サポートプログラムなど、この賞に関わるあらゆる準備に携わられた方々に感謝の意を申し上げます。助成金100万円は、研究テーマの中で行う解析の費用に充てる予定です。この賞をきっかけとして、自らの研究をグレードアップできればと思います。

ご自身の研究について

社会人博士課程ですので、臨床業務の傍、業務時間後や休日に研究活動を行っています。臨床で得た疑問を深掘りすることで、新規の研究テーマを考えたり、実際に臨床データをもとに検討したりしています。現在の研究をはじめたきっかけは、大学4年生の時に白血病になり、当事者として移植治療を受けたことです。私自身は幸いにも治療が奏功しましたが、同時期に同じ治療を受けた方の中には、厳しい予後を辿る方もいらっしゃいました。その原因を突き詰めて、少しでも今後の移植治療に貢献できればというのが、個人的なモチベーションです。また、治療を通して経験した免疫系の複雑性や意外性も、要因のひとつだと思います。今後は、臨床と基礎の両軸を往来して、より個別最適化された医療の確立に貢献できるような研究を目指したいです。

普段、若手研究者として感じていること

研究に対するワクワク感と共に、やはりもっと多くの研究者と気軽にコミュニケーションが取れるといいなと感じています。それは研究テーマやメソッドだけでなく、日常生活の中で心がけていることや大事にしていることなど、その人のものの見方の根幹の部分に触れたいという思いからきているものだと思います。オンラインなどで、若手が互いに学び合える場があるととても良いと感じます。

エディテージ・グラントに応募した理由

エディテージ・グラントは先輩からの紹介で知ったのですが、先輩の「研究費の獲得は研究者として重要なスキルだ」という言葉が響きました。また、本グラントの応募要項に業績は問わないと明記されており、若手を支援する目的も感じたため、よい機会だと思い応募を決意しました。英語でのエッセイ作成やプレゼンを楽しそうだと思ったのも、きっかけのひとつです。

エディテージ・グラントに応募してみて感じたこと

エディテージ・グラントは使途が自由であるという点や、業績を問わない旨が明記されている点がユニークだと感じました。応募要項から、若手を支援するメッセージや意志がひしひしと伝わってきました。応募の際は、公表されていた審査員の方々が文理多岐に渡っていたので、できるだけ専門用語は避け、図や表を用いるよう心がけました。また、自分が伝えたいことと、それを英語で表現した場合のギャップを埋めていくプロセスは苦労もありましたが、その分学びも多かったです。グラント応募経験がほぼ皆無の私にとっては、あらゆることが初めてのことで、非常に多くを学ばせていただきました。また、プロセスの一つ一つがしっかりしており、サポートやフィードバックも多くいただくことができ、満足感の高い経験となりました。

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この記事を書いた人

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