AMAスタイルガイド第11版:引用、参考文献の正しい書き方

AMA style citation guide

知識の共有や共同作業は、もはや科学コミュニティの内部だけにとどまりません。特に医学・健康分野では、一般の人々や非専門家のあいだでも、信頼できる研究成果への関心が年々高まっています。これは自然な流れと言えるでしょう。医学研究は、私たちの日常生活や意思決定に直接影響を与えるため、「正確で信頼できる情報」が強く求められているからです。

こうした背景のなかで重要になるのが、研究論文の書き方や引用のルール(スタイルガイド)です。適切な書式に基づいて執筆された論文は、査読や編集プロセスを円滑にするだけでなく、専門外の読者にとっても理解しやすいものになります。数あるスタイルガイドのなかでも、本記事では医学分野で広く使用されている「AMAスタイル」に焦点を当て、その特徴と基本ルールを解説します。

目次

AMAスタイルガイドとは?

AMAスタイルガイドとは、American Medical Association(AMA)が定めた、医学・健康科学分野における論文執筆と書式設定の指針です。AMA関連ジャーナルへ投稿する際には、まずこのガイドに従うことが求められます。また、学生や研究者、医療従事者にとっても、研究成果を正確かつ効果的に伝えるための重要な基準となっています。このスタイルガイドは長年にわたり改訂が重ねられており、現在は第11版が使用されています [1] 。このガイドでは、ページレイアウト、引用および参考文献の書式、図表の作成方法、臨床試験の登録と報告など、さまざまな項目について詳細なルールが定められています。AMAスタイルが重要とされる理由は、主に以下の点にあります:

  • 論文の構成や表現に統一性を持たせるため(読者や査読者が内容をスムーズに理解できる)
  • 主張と根拠を正確に結び付けるため(研究の信頼性を担保できる)
  • 出典を追跡しやすくするため(再現性や検証性の確保につながる)
  • 医学的情報を正確に伝えるため(生物学的データ、薬剤の作用機序、解剖学的な詳細などの誤解を防ぐ)

AMAスタイルガイド第11版:一般的な書式ルール

まずは、AMAスタイルにおける基本的な書式ルールを見ていきましょう。AMAの特徴は、厳密な形式よりも「一貫性」を重視する点にあります。そのため、細かなルールに縛られすぎる必要はありませんが、以下の基本ポイントは必ず押さえておきましょう。

基本フォーマット
・Times New Roman(12ポイント)など、読みやすいフォントを使用する
・原稿全体(タイトルページ、抄録、本文、参考文献)をダブルスペースにする
・余白は上下左右すべて1インチ(約2.54cm)に設定する
・すべての段落の1行目を字下げする

セクション構成
・抄録、序論、方法、結果、考察、結論、参考文献など、各セクションには明確な見出しを付ける
・見出しは太字・左揃えで統一する

抄録(Abstract)
・150~250語以内で記載する
・引用は含めない
・以下の要素を簡潔にまとめる
・研究目的
・方法
・主な結果
・結論

タイトルページ
ジャーナルによっては、本文とは別にタイトルページの提出が求められます。その場合は、以下の情報をこの順序で記載します:

1. 論文タイトル(中央揃え・太字)
2. ランニングヘッド(40文字以内の短縮タイトル)
3. 著者名
4. 著者の最終学位
5. 連絡先情報(メールアドレスなど)
6. 所属機関

論文の書式調整に困ったら

AMA引用スタイル

本文中の上付き番号による引用
出典の示し方として、AMAが推奨しているのは、上付き番号による引用というとてもシンプルな形式です(例:this4)。引用番号は、出典に基づく情報にできるだけ近い位置に置く必要があります。たとえば、著者名の直後や、引用文の直後に置くことができます。以下の例を見てみましょう。

“Darwin’s theory of evolution4 is based on the principle of survival of the fittest…”

このように、上付き番号は、読者に参照してほしい出典情報の箇所を明確に示している必要があります。また、引用番号はカンマ、セミコロン、ピリオドなどの句読点の後に付けます。

複数の文献を引用する方法
複数の出典を引用したい場合はどうすればよいのでしょうか。AMAでは、連続する文献番号の範囲を示すときにエンダッシュ(-)を使用できます。一方、連続していない文献番号はカンマで区切ります。番号の間にスペースは入れません。例を見てみましょう。

Here’s how you cite multiple sources in AMA2–5,9,12

このように、本文中で引用したすべての出典には、原稿末尾の参考文献リストに対応する項目が必要です。
では、参考文献リストはどのように整えればよいのでしょうか。AMAガイドラインに沿って見ていきましょう。

AMA参考文献リストの書式

参考文献リストは、原稿末尾の別ページにまとめて記載します。見出しには “References” と太字で記し、本文中に登場した順に文献を列挙します。また、同じ文献はリストに一度だけ記載し、本文中で再度引用する場合は、最初に割り当てた番号をそのまま使用します。文献タイプごとの詳細な書式に入る前に、まずは基本となるルールを押さえておきましょう。

基本ルール:
・雑誌名は省略形で記載する(Index Medicus などで定められた公式略称を使用)
・論文タイトルはセンテンスケースで記載する(文頭と固有名詞のみ大文字にする)
例:Effects of drug X on cancer cells
・著者名は「姓+イニシャル」で記載する(イニシャルの間にピリオドは入れない)
例:Suzuki T
・著者は最大6名まで記載する(7名以上の場合は、最初の3名を記載し、その後に “et al.” を付ける)

参考文献の記載形式と例
以下の表は、AMAでよく用いられる参考文献タイプの書式を示したものです。

学術論文
書式著者の姓 イニシャル. 論文タイトル. 省略雑誌名. 年;巻(号):ページ範囲. DOI または URL.
Koopmans RJ, Shrimpton SJ, Roberts GT, Musker AJ. Dependence of pellet shape and size on pressure drop in H2O2 thrusters, J. Propul. Power 2014:30(3):775–789. https://doi.org/10.2514/1.B35072
書籍
書式著者の姓 イニシャル. 書名:副題. 出版社名; 出版年.
Davis NJ, McCormick JC. Liquid Rockets and Propellants. 2nd ed. Academic Press; 1960, pp. 589–616. https://doi.org/10.2514/5.9781600864759.0589.0616
ウェブサイト上のブログ記事
書式著者の姓 イニシャル. ページタイトル. ウェブサイト名. 公開日:月 日, 年. アクセス日:月 日, 年. URL.
Nair N. The power of framing in medical research communication: Why it matters. Editage Insights. July 31, 2025. Accessed February 13,2026. https://www.editage.com/insights/the-power-of-framing-in-medical-research-communication-why-it-matters
動画
書式作成者名. 動画タイトル[video]. ウェブサイト名. URL. 公開日:月 日, 年. アクセス日:月 日, 年.
Dawson JR, Pavlo SE, Jones MZ. Sedation dosage for minor procedures in children . Everything Medicine. https://www.everythingmedicine.com/sedation-dosage-for-minor-procedures-in-children Published August 9, 2022. Accessed December 5, 2025  
ウェブサイト
書式作成者名. 動画タイトル[video]. ウェブサイト名. URL. 公開日:月 日, 年. アクセス日:月 日, 年.
Paediatric Health Simplified. Monitoring emotional well-being in toddlers. www.paediatrichealthsimplified.com Published May 19, 2020. Accessed April 14, 2023

まとめ

AMAスタイルは、医学・健康科学分野において広く採用されている、信頼性の高い論文執筆ガイドラインです。特に、上付き番号による引用や参考文献リストの整理方法など、シンプルでありながら一貫性を重視したルールが特徴です。

本記事で紹介したように、AMAスタイルでは以下のポイントが重要となります:
・論文全体のフォーマットを統一すること
・上付き番号による明確な引用ルールを守ること
・参考文献リストを正しい形式で整理すること

これらを適切に守ることで、査読者や編集者にとって読みやすいだけでなく、読者にとっても理解しやすい論文に仕上げることができます。

一方で、実際の執筆では「細かな書式の違い」や「ジャーナルごとの要件」によって、フォーマット調整に時間がかかることも少なくありません。こうしたミスや手間は、投稿後の差し戻しや修正の原因にもなります。そのため、論文の内容に集中するためにも、フォーマットや書式の最終チェックは慎重に行うことが重要です。必要に応じて、専門的なサポートを活用することも一つの有効な選択肢といえるでしょう。エディテージの論文フォーマット調整サービスでは、ジャーナルガイドラインに沿った原稿の書式チェックと調整をサポートしています。投稿準備をスムーズに進めたい方は、ぜひご活用ください。

論文の書式調整に困ったら

参考文献

  1. AMA Manual of Style https://academic.oup.com/amamanualofstyle
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この記事を書いた人

2002年に設立された、カクタス・コミュニケーションズの主力ブランドであるエディテージの目指すところは、世界中の研究者が言語的・地理的な障壁を乗り越え、国際的な学術雑誌から研究成果を発信し、研究者としての目標を達成するための支援です。20年以上にわたり、190か国以上の国から寄せられる研究者の変わり続けるニーズに対応し、研究成果を最大限広く伝えられるよう、あらゆるサポートを提供してきました。
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