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2015年

責任ある出版リソース連合を創設20150909

英文校正・論文投稿サポートを提供するエディテージのドナルド・サミュラック博士(カクタス・コミュニケーションズ、エディテージ米国オフィス代表)は、2015年8月20日、メリーランド州ボルチモアで開催された国際編集者会議(ISMTE)の北米年次会合で、「略奪的な著者支援サービスにどう対抗するか?」と題したパネル・セッションに登場し、業界全体でその対策に取り組んでいくことを提案しました。サミュラック博士は同セッションで、ヘーゼル・ニュートン氏(Hazel Newton、ネイチャー・パブリッシング・グループ、著者支援サービス部部長)、ジョッシュ・ダール氏(Josh Dahl、トムソン・ロイター、出版・協会部部長)、ジェフリー・ビオール氏(Jeffrey Beall、コロラド大学デンバー校、学術コミュニケーション司書・准教授)と共に、「責任ある出版リソース連合」(Coalition for Responsible Publication Resources 、CRPR)の創設を発表しました。非倫理的行為や略奪的行為により、学術文献の信頼性が失われるという懸念が高まる中、出版社や、著者支援サービスを提供する各社に対し、業界全体として対応ができるよう、支援を結集していくことを表明しました。 

業界内ではすでに、指針や行動規範、白書などを浸透させる努力を行なっており、責任ある出版が推奨されています。しかしながら、著者支援・翻訳・編集校正・査読サービスを提供する一部の企業によって、著者へのなりすまし、剽窃の濫用、データ偽造、重複出版、オーサーシップや著者不明原稿の販売、査読詐欺などが横行しています。これまでも、出版倫理委員会(Committee on Publication Ethics 、COPE) 、オープンアクセス学術出版社協会(Open Access Scholarly Publishers Association )、Retraction Watch(論文撤回監視ブログ)、ジェフリー・ビオール(Jeffrey Beall氏)Scholarly Open Access blog(オープンアクセス学術誌ブログ)を始めとするさまざまな人々が、学術行為への違反が疑われるものを特定し、沈静化に努めてきました。しかし、とくに著者支援サービスを行う企業を対象として、業界で定められた規範に沿って対応するよう求める取り組みは、これまで行われていませんでした。また、「自由裁量」(利用したい人が自由に利用できる)サービス提供企業の、学術界での立場を分かりやすくする方法もこれまでなかったのです。 

サミュラック博士は、次のように述べています。「これまで、責任ある業務を遂行するためには、出版過程に関わる各個人や企業が、出版方針基準や研究倫理に関する教育を行い、意識を高める努力をすれば十分だと考えられてきました。しかし、ここ何か月かの間に、問題のある、あるいは誤解を招きかねない出版や著者サービスを提供する会社の手法が、巧妙になってきました。そして、そのような会社の利用、普及、成長が、これまでの著者教育のリソースや教育活動の影響力を、凌駕しつつあるように思われます」また、次のような懸念を表明しています。「無責任な出版支援行為が増え続けて活発化し、またその手口も非常に巧みになり、至る処で行われています。このため、我々が出版基準や規範に目を向けてもらうよう努力しているにもかかわらず、出版を考える一般的な研究者は、今後数年のうちに、正当な出版活動とそうでないもの、倫理的な著者サービスを提供する会社とそうでない会社、などの区別をつけることが難しくなるでしょう」 

以上のような理由から、サミュラック博士は、出版社、学術機関、著者支援サービス業界などの仲間が手を携えて連合を創設し、業界全体の対策に乗り出すことを提案したのです。連合は米国の501(c)(6)団体として登録され、会費や寄付で運営されます。この連合は、同業者委員会、業界へのフィードバック、管理監督などの仕組みを利用して、さまざまな立場の人(フリーランサー、業者、学術機関、出版社、学術誌など)が、連合が規定する基準を満たした上で、責任ある「自由に選べる」出版サービスを提供しているということを証明し続け、さらに発展させていく責務を負います。連合への加盟は任意ですが、加盟の際は、「責任ある業務を遂行し、業界の規定を順守する義務を果たす」という意思を確認する監査が行われます。 

今後追加されていく情報等については、こちらをご覧ください。このような業界主導の取り組みを応援するコメントや、連合の発展や方針に役立つコメントも歓迎です。  

ドナルド・サミュラック氏について
サミュラック博士は、カクタス・コミュニケーションズ及びエディテージの米国オフィス代表として、世界各地の時差に対応しながら活動し、出版、製薬、学術界のニーズに応じた支援に積極的に取り組んでいます。また、編集および医学編集業界において、出版基準と倫理に関する意識と専門性が、世界的に向上していくよう尽力しています。博士は、世界中の学会、大学、出版社、政府機関で数多くの講演やワークショップを行なってきました。そのため、学術出版の動向や出版・著者サービスのグローバル化について造詣が深く、また、業界動向の認識、ワークフローの整備、質の高い出版において、重要な役割を果たしています。