質問: 特集記事と二重投稿について

質問の内容 -
ある雑誌から、特集記事の執筆の依頼がありました。学会発表の内容を記事として掲載したいとのことです。一方で、学術誌への査読付き論文の投稿も計画しているのですが、この特集記事に掲載してしまったら二重投稿になるでしょうか?
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回答:

ご相談のケースは、やや珍しい事例です。たいていの場合は、以下の順序で進行することが多いからです:

学会発表 > 論文出版 > 研究の発信


つまり、学会発表では、取り組んでいる研究の暫定的な結果を発表し、学会で得られたフィードバックに基づいて適宜修正を加えた上で、研究論文にまとめて学術誌に投稿し、論文がアクセプトされて出版されたら、一般的な出版物を通して研究を広く発信することを考える、という順序です。

一方、今回のケースは、以下の順序になっています:

学会発表 > 研究の発信 > 論文出版


学会発表の内容を一般雑誌で公開することは、研究の発信と位置付けられます。その後で、もしくは同時進行で、発表内容に基づく論文の投稿を計画しているとのことですが、学術出版のプロセスにかかる時間を考えると、研究の発信が、論文出版の前に行われることになってしまいます。

また、特殊なケースであることは別としても、査読プロセスによる検証を待たずに研究を一般に発信してしまうことで、研究と出版の整合性が損なわれてしまいます。いずれにせよ、未検証の結果が一般に伝えられてしまうのは、たとえ内容的にリスキーなものではなくても、望ましいことではありません。

また、その雑誌記事は、どのような形式になるのでしょうか。学会発表の内容がそのまま掲載されることになるのか、それとも新たに書き直すのでしょうか。もし、学会で発表したものとは別に、その雑誌向けに新たに執筆を行い、同じ文章を論文で使ってしまうと、二重投稿ではなく自己剽窃とみなされます。そのときまでに、おそらく雑誌の記事が公開されているはずだからです。

ただ、まずは雑誌記事として発表するというアイデアが生まれた経緯には、興味深いものがあります。その雑誌に関わる人が学会であなたに声をかけたか、あなたの学会発表を聞いて寄稿を依頼したということでしょうか。


とはいえ、やはりこの件には少々問題があります。問題を回避するために、以下を提案します:

  • ジャーナル論文の出版後に雑誌の特集記事が出版されるようにすることがベストです。そのためには、雑誌編集者に、ジャーナル論文が出版されるまで記事を保留するよう依頼するのがよいでしょう。そして、ジャーナル論文に基づいて、雑誌用に別途記事を書くとよいでしょう。
  • 雑誌記事の保留が難しい場合は、論文を投稿する前に、ジャーナルの編集者に相談してみましょう。その際、原稿は学会発表に基づくものであるということも伝えましょう。そして、ジャーナルの見解に応じて対応しましょう。「雑誌記事が公開されたらジャーナルへの投稿はできない」と言われたら、まずはジャーナルへの投稿、それから雑誌という通常の順序で進めることになるでしょう。


以下の記事も参考にしてください:


良い方向に解決することを願っています!

回答:

ご回答いただきましてありがとうございます。

思った通りやはり難しい問題でした。

経緯としては、学会発表した後、しばらく論文化せずに置いていたら、その学会からその発表を記事にしないかと声がかかったという流れです。予測していなかったことでしたので、戸惑い、問い合わせをさせていただきました。

参考にさせていただきます。


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