ワークショップ: 「論文執筆と研究発表」ワークショップ:2013年11月トルコにて

「論文執筆と研究発表」ワークショップ:2013年11月トルコにて

カクタス/エディテージが2013年11月25、26日にトルコのイスタンブール工科大学(ITU)で開催した、「論文執筆と研究発表」ワークショップには多数のお客様にきていただきました!
ワークショップの目的は、印象的な研究論文を書き、発表に説得力をもたせるための、最高の実践をいくつか紹介することでした。

主宰したのは、コミュニケーター、トレーナー、著者として豊富な経験をもつラヴィ・ムルゲサン(Ravi Murugesan)です。ワークショップには400人を超える大学生、若手研究者、ITUをはじめイスタンブールの他の大学からシニアの研究者も数名参加してくれました。

一番目の講演は、研究論文の執筆についてでした。ラヴィはこのセッションで、科学的文章における倫理、剽窃を防止する、適切なジャーナルを選ぶ、査読プロセスを理解する、論文の書き方といったトピックを取り上げました。大きな科学コミュニティに向けて書き、科学コミュニティと交流するため、アドバイスをしました。

また、投稿先ジャーナルの選択が状況を一変させると述べていました。ジャーナルの選択により、論文が掲載されることもあれば、却下されることもあります。つまり、著者の研究が認められることもあれば、否定されることもあるのです。

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ラヴィによると、ジャーナル選択時に考えたほうが良いいくつかの要因は、次の通りです。

  • ジャーナルが扱う領域
  • 読者層
  • ジャーナルの影響力
  • 似たような論文が掲載に成功しているか
  • 査読の速さ
  • アクセス・モデル(Access model)

著者は、投稿規程をしっかり読み、ジャーナルが扱う領域にはとりわけ注意しなければならないとのことでした。ジャーナルのサイトに書いてある、影響力、読者層、インデックスなどを見たほうがよい、との指摘がありました。役に立つアドバイスをもう一つ。自分の研究のキーワードを使い、似たような論文がそのジャーナルで掲載されているかどうか調べてみるとよい、ということでした。

2001年ノーベル経済学賞を受賞したジョージ・A.アケロフの、非常に感動的な言葉が引用されていました。

「(3回の却下の後)私は絶望したかもしれません。でも私はあきらめませんでした。論文をQuarterly Journal of Economicsに送り、受諾されたのです」

ワークショップの2つ目のセッションでは、学会での発表について説明が行われました。セッションの間、学会とはどういうものか、学会発表のアブストラクトを準備するときの原則、ポスターを作りデザインするのに欠かせない、内容に関連した側面と視覚的側面に関する予備知識、インパクトのある口頭発表を行うためのアドバイス、を教えてくれました。

ラヴィによると、1・1・7という考え方があるそうです。学会での発表の準備をする時、話者は次の点に注意しなければなりません。

  • スライド1枚につき、テーマは1つ
  • スライド1枚につき、約7行
  • 1行あたり約7語

また、著者がいかにしてポスター発表の後方支援(support)をするか、非常に面白いアドバイスをしました。アイ・コンタクト、笑顔、他のことに気を取られないことが重要だということです。著者が出会う人には2つのタイプがあり、その両方のために準備をしなければなりません。

  • 一番初めにポスターを見る人
  • 初めに著者と話し、それからポスターを見たいと思っている人

参加者は情報量が多く、面白く、役立つ講義だと思ってくれました。特に、こうしたワークショップによって、科学論文の執筆、ポスター発表の準備、口頭発表の準備を行う時に考慮すべき側面が、よくわかるようになったと感じたそうです。

ワークショップでは、たくさんの参加者が剽窃について質問をし、ラヴィは質問時間中や最後の回答の中でそれに答えていました。ラヴィは剽窃の問題を重要視し、多くの人が関心を持っているテーマであると認識していましたので、エディテージはこのニーズに答え、2014年2月に出版倫理についてのオンランセミナーを行いました。

ワークショップ/オンラインセミナーのご依頼の場合は authorhelp@editage.comまで、お問い合わせください。