あるジャーナルの剽窃予防策:剽窃をした著者への投稿禁止/査読者をメールアドレスで選別

あるジャーナルの剽窃予防策:剽窃をした著者への投稿禁止/査読者をメールアドレスで選別

DNA and Cell Biology は、剽窃と偽査読の防止手段として、剽窃のある原稿を投稿した著者に対して3年間投稿を禁止し、所属機関のメールアドレスを持たない査読者の推薦を受け付けない措置をとると発表しました。編集者のキャロル・ショシュケス・レイス(Carol Shoshkes Reiss)氏は最近公開された論説で、これはコピーされた文章が含まれる原稿が最近大量に投稿されていることが原因だと述べています。

レイス氏によると、疑いのある投稿が投稿された場合は即刻掲載拒否され、剽窃を含む投稿があった旨が、著者の所属研究機関と資金提供機関に伝えられるということです。さらに、剽窃を行なった論文を投稿した著者はジャーナルの電子システムに記録され、向こう3年間にわたって論文投稿を禁止されます。

この決定は、ジャーナルが使用する剽窃感知プログラムのレポートに基づいて下されます。しかし、文章の重複度合いがどの程度だと剽窃とみなすのかを示す明確な基準が設けられているわけではありません。ジャーナルは、材料・方法のセクションで他から借用した語句を用いることには比較的寛容ですが、序論・結果・考察のセクションで大幅な重複が見られる場合には掲載拒否とするようです。

同ジャーナルはまた、最近の学術界で偽査読の事例が急増していることに対処するため、所属機関発行のメールアドレスを持たない査読者を受け入れることもやめる決定を下しました。その他のアドレスは、偽名で簡単に作成することが可能だからです。このジャーナルの方針では、著者は査読者を推薦することはできますが、学会や研究機関のメールアドレスを持つ査読者だけが認められることになります。

剽窃への警戒はもちろん必要ですが、懸念されるのは、著者への投稿禁止や資金提供機関および所属研究機関への報告が、意図しない剽窃をしてしまった著者の経歴に与える影響です。今回のような措置は、剽窃の意図がないにもかかわらず、英語ネイティブでないために英語の理解力が限られていることが原因で、既存文献から語句や文章を借用することになってしまう人々には、特に痛手となるかもしれません。

偽査読に対抗しようとする同ジャーナルの措置を歓迎し、改善の第一歩と考える人も多くいます。しかし、この措置が著者の非倫理的行為を防ぐ方法としてどれほど効果があるのかが明らかになるまでには、まだ時間がかかります。

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