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質の高いデータの収集と論文執筆、そして、徹底的なレビュー

Mary Nishikawa | 2014年11月25日 | 10,839 ビュー
出版倫理, メディカルライティング, 査読, 英文校正,研究不正,

参加者の皆さんは、アジア各国からの大学院生で、タイ、ベトナム、マレーシア、イラン、インド、中国、ロシア、それに当然のことながら日本からの方々でした。彼らのバックグラウンドは様々で、農学、経済学、教育学、毒物学、バイオテクノロジー、化学、薬学、社会学、図書館学、機械工学、材質科学など、多岐に亘っていました。彼らは、研究成果を如何にして倫理的に問題がなく、長く誇りに出来る質の高い論文に仕上げることが出来るかを学ぶために参加していたのです。彼らはみんな、自分が書いた論文や共著者の論文をレビューするため、私がメディカル・トリビューン時代に考えついた方法を学ぶためでもありました。それは、私が採用価値のある論文を探していた時、通常では評価者のレビュープロセスで見過ごされがちなことを見つけたのです。私は、参加者が同じ間違いをしないようにその方法をお話しました。

 

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論文をレビューする際に必須の徹底的なチェックプロセスは以下の通りです: 

ステップ1:事前チェック(最初の読み込み)

ステップ2:詳細チェック(全ての論文内容がジャーナルの投稿規定、ガイドラインに合致しているか)

ステップ3:一貫性のチェック(表中のデータ、数値、テキストなどの一貫性があるか)

ステップ4:最終レビュー(論文全体の論理性があるか)

 

 

参加者は、論文提出の前に執筆者がすべき以上のチェックのうち、ステップ2から4までのチェックがしばしば抜けていることを学びました。ジャーナルに掲載された論文やワークショップで発表される論文で見られる間違いの殆どは、そういった不完全なレビューが原因なのです。論文の執筆メンバーによるデータの偽造やでっち上げの可能性がある場合は、ナショナル・アカデミーズ・プレス社刊(ワシントンD.C.、第3版、2007年)の「科学者として:責任ある研究活動のガイドライン(On Being a Scientist: A Guide to Responsible Conduct in Research)」の中で一つのシナリオとして紹介されており、そのステップ3では、科学的妥当性の追加チェックを実施することを勧めています。

 

このシナリオでは、ピーターとジミーが或る研究プロジェクトで協働している大学院の研究仲間として登場しており、「ピーターが、ジミーの担当した測定に対し、実際には実施していないことを確信していた」。このシナリオに対して参加者は、「ジミーがアドバイサーに相談しに行くには、どのような証拠が必要なのか?」を討議しました。

 

色々な解決策が考えられますが、最も道理に適っているのは、ピーターが自発的にデータの再収集をすることです。別の方法は、ピーターがそのデータを検証するために、どこか第3者独立研究機関に依頼してダブルチェックのための実験を実施することでしょう。これは、サイエンスのようなジャーナルの編集者や評価者がデータに疑問を持った場合によく実施されることです。

 

私の30年に及ぶ経験が、レベルの高いデータ収集や論文執筆及びレビューをしていく上で皆様のお役に立つことが出来ましたら誠に幸いです。広島大学の研究者の皆さまは、このような高いレベルの基準を守られ、素晴らしい研究成果を発表されることを期待しております。

 

 

 

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