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2015年ORCIDアンケート調査の結果

エディテージ・インサイトの読者の皆様は、ORCIDをよくご存知かもしれません。ORCID (Open Research and Contributor Identifier)は、研究機関、分野、地理的所在を問わず、研究者に固有の識別子をつける取り組みを行う、地域に根ざして活動する非営利団体です。研究者には、ORCIDへの登録が推奨されています。登録すると16桁の識別子(番号)が与えられて自分の研究や業績に紐づけられ、どれが自分の功績なのかがはっきりと分かるようになります。

ORCIDに対する研究者の意識や見方を理解するため、2015年8~9月にかけてORCIDがアンケートを実施し、その結果がORCID Survey 2015にまとめられて公表されました。アンケートには6000人が回答し、そのうち研究者は62%でした。回答者の多くは、欧州、北米、アジアに拠点を置く、大学・政府系機関・非営利研究団体に所属する人々でした。
 

アンケートの主な結果は以下の通りです。

・ORCIDに対する認識:ORCIDコードを知らないと回答した人は9%のみだった。無料で登録できることや、非営利団体であるという認識は研究者の間では高かった(それぞれ75%、63%)。しかし、毎年公開するデータファイルや、新たな査読サービスに対する認識は低かった(共に34%)。回答者の約70%がORCIDコードを持っていた。

・ORCIDに登録した理由:ORCIDコードを持つ人の60%が「統一コードは研究でインターネットを利用する上で役立つ」と考えており、これが個人的に登録をした理由で最も多かったもの。その他の主な理由は以下の通り:登録が無料である(80%)、研究成果の紐づけが容易(80%)、他人が自分の研究を見つけたり共有したりしやすくなる(80%)、研究者としてのキャリア全般を通じた固有の識別子である(78%)

・ORCIDに関する情報源:回答者がORCIDについて知ったのは、同僚の推薦(31%)または出版社の推薦(29%)によるものが多かった。回答者の43%は、最近原稿を投稿した時に識別コードの入力を求められたと報告している。

・登録者によるORCIDの活用:原稿投稿時(55.7%)、大学で利用(25.8%)、研究助成金申請時(13%)。ORCIDコードを現在全く使っていない登録者は26%。

・出版物とORCIDコードの紐付け:どの分野の回答者も、自分の出版物とORCID記録を関連付けることを望んでいる。特にジャーナル論文(92%)、書籍(73%)、書籍の一部(章)(66%)。その他の研究内容との関連付けについては、研究分野によって違いがみられた。例えば、生命科学分野の研究者はデータセットへの関連付けを、人文科学分野の研究者は学会発表への関連付けを望んでいた。

・ORCIDを表す言葉:ORCIDの特性を表す言葉として最も多く挙げられたのは「オープン」、「新しい」、「近づきやすい」、「効果的」、「扱いやすい」などであった。「不要」、「扱いにくい」、「くだらない」、「ばかげている」、「複雑」などの評価はほとんど見られなかった。ORCIDコードを持っていない人は、ORCIDを不要と考えているか、またはORCIDを知らないと答えた割合が有意に高かった。

・ORCIDの義務化ORCIDの義務化に対する支持は高い。回答者の72%は、世界の研究界にとって利益となるということに同意、あるいは強く同意している。どちらでもないという回答は21%で、同意しないあるいは全く同意しないという回答は7%のみであった。同様に、ORCIDコードの義務化を出版社(75%)、研究機関(67%)、研究助成機関(67%)、学会(64%)で行えば便利だという回答者は、全体の3分の2~4分の3であった。
 

この報告書からは、学術界におけるORCIDの認識度について意義深い洞察が得られます。ORCIDの広報責任者(Director of Communications)アリス・メドゥズ(Alice Meadows)氏は、ORCIDの今後の市場調査のために、アンケート回答者の何名かに連絡を取り、学術界におけるORCIDの存在について理解を深めたいと考えています。

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