「良い論文からは、著者の思いが伝わってくるものです」

「良い論文からは、著者の思いが伝わってくるものです」

ご経歴を簡単に教えてください。なぜ編集者という職業を選んだのですか?

昔から、情報を集めて整理したり、発表したりするのが好きでした。特に科学のように、色々と考えさせられるテーマが好きでした。神経科学で博士号を取得した後、教えるか編集をするか、どちらかをやりたいと思っていました。両方できることになって、本当に運が良いと思います。

関心を寄せているテーマについて教えてください。ご専門分野の発展に関して、熱心に追跡している新展開はどのようなものでしょうか。また、発展のために特に重要だと思われることは何でしょうか。

私が大きな関心を持っているのは、神経適応です。嗜癖障害(依存症)は大勢の人の人生を破壊します。依存症の多くは、再発率も高いことが知られています。薬物などの常習性(中毒性)のある物質に繰り返しさらされると、脳のある部分に永続的な変化が起こると考えられています。そのような部位の一つが、意思決定を統制している前頭前皮質です。この部分が変容すると、嗜癖行動(常習行為)を抑えることが非常に困難になることが分かっています。そのため研究者は、神経適応について積極的に研究を進め、前頭前皮質の変容を抑えたり元に戻したりできる方法を模索しています。もしそうした方法が発見されれば、依存症患者とその家族の生活は、劇的に改善するでしょう。

博士はエディテージ(カクタス)で、センター・オブ・エクセレンス(心理および心理社会的ヘルスケ分野)に所属されています。この専門分野に所属していることで、編集の仕方に何か影響が出ますか?また、所属分野のどういうところが一番好きですか?

私は、人の生活の質を改善するための研究が大変重要だと考えています。ですから、担当する原稿の大部分に、心から興味を持って編集しています。そのせいか、原稿の校正作業は仕事という感じがしません。最終的には、クライアントの方にもご満足頂ける校正原稿を提供しています。

編集者として、良い英語論文とはどのようなものだと考えますか?著者に、書く技術を伸ばすためのアドバイスをお願いします。

良い論文というのは、科学論文の原稿であれ、短編小説であれ、著者の思いを読者に伝えるものです。思いが伝わるかどうかは、考えていることと、それを表すために選んだ言葉がマッチしているかどうかで、ある程度決まってきます。ですから、余すところなく自分の考えを表すことができる別の表現がないかどうか、常に自問するとよいでしょう。

編集への興味を維持し、クライアントに質の高い仕事を提供するために、編集者に向けたアドバイスをお願いします。

他人の考えを表現するお手伝いをするのは、ときに難しいこともありますが、やりがいのある仕事であることは間違いありません。外国語でとても重要なことを言おうとしているときに、誰かが助けてくれて、きちんと伝えることができたら、どれだけほっとするでしょうか!私たちが編集する原稿の中で議論されている実験には、多大な時間とエネルギーが掛けられていて、その結果の多くは、報告する価値があるものです。ですから、クライアントと社会の利益のために、最善を尽くして仕事をしましょう。

博士ご自身についてもう少し教えてください。余暇にはどんな趣味や活動を楽しみますか?

時間の大部分を仕事に費やしているので、自由な時間は家族と過ごすようにしています。二人の子どもはまだ小さいので、「趣味」といえば、基本的には子どもたちがその時やっていることを一緒にすることですね。積み木を積んだり、お茶会ごっこをしたり。

クライアントに一言お願いします。

私は皆さんの考えを、できるだけ明瞭かつ正確に表現することに全力を注いでいます。ですから、著者の全体的なメッセージを心に留めながら編集を行い、メッセージが論理的かつ漏れなく伝わるよう配慮しています。

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