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科学を読む(5)非科学者はSTAP細胞問題をどう読むべきなのか・その3 組織の危機管理に必要な即断・即決戦略

by • March 26, 2014 • 科学を読むComments (0)3902

STAP細胞問題の対応で批判を浴びた理化学研究所。ソーシャルメディア時代におけるブランディングの観点から、組織の対応はどうあるべきかを考えます。

STAP論文問題について、当該の理化学研究所が「対応が遅い」という批判を受けています。研究所がこのような大規模スキャンダルに対応することもめったにないでしょうから、危機対応ノウハウが準備されていなかったということもあるでしょうし、それよりなにより、ウェブ上の匿名研究者によるレビューや指摘がここまでスピーディーに行われるとは予想だにしなかったというところもあるかもしれません。

私は長くエディテージでオンラインマーケティングに携わってきたおかげで、ウェブの力のすさまじさと研究コミュニティとの親和性については一家言あります。ウェブが個人のコミュニケーションや消費活動の中心になった今、膨大な情報の中から真実と虚偽を見分けるユーザーリテラシーは確実にあがっています。日々常識を疑い真実を追究することを仕事としている研究者の方々においてはその能力は一般のネットユーザーと比較にならないぐらいべらぼうに高いといえます。エディテージでもツイッターやFacebook、このブログなど、多くのオンライン媒体を通じてお客様への情報提供ややりとりを積極的に行っていますが、「リアルタイム・透明性・公共性」を最も大切なポリシーとしています。できる限りすべてをさらけ出した上でお客様に選んでいただくこと、何か間違いを犯したときには即座に謝罪して改善すること。これ、今サービス産業に従事する上でものすごく大事な要素です。

ソーシャルメディアが普及したことで、組織や企業はクリーンでオープンにならざるを得なくなったという、実にすばらしい時代が今来ていると思います。お客様や読者はその場しのぎの情報隠蔽やウソ、誇大広告にすぐ「くさい」と気づきます。気づいた人は他のユーザーに瞬時にウェブで情報提供し、その情報は次の瞬間には全世界に拡散します。この時代に企業やブランドがリスクを回避するためには、シンプルに真摯に「いい会社」になるのが一番手っ取り早いんです。私はエディテージの仕事について7年近くになりますが、うちの会社は客観的に見てもともとが不器用なぐらい真っ正直な会社だと思いますし、ブランド担当として、今のお客様のニーズに応えてもっともっとオープンになっていくべきだと思っています。

STAP問題での理研に対する社会の批判は、昨年2013年に発覚した大手ホテルやレストランの食品誤表示問題に対する国民の反応とよく似ています。あの事件は「誤表示か偽装か」をめぐる議論を巻き起こしましたが、他の大手ホテルの「誤表示」ケースがどんどんほじくり返され発見されて事件が日を追うごとに拡大していく様子をテレビで見ながら、「あーもう最初から偽装でした、責任はAにあります、原因はBです、対策はCですと一発目の記者会見で勇気を出して言えさえすればこんなことにならなかったのに」と歯がゆい思いがしました。

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「リアルタイムマーケティング 生き残る企業の即断・即決戦略」 デイヴィッド・ミーアマン・スコット著(日経BP社)

上に紹介した「リアルタイムマーケティング 生き残る企業の即断・即決戦略」という本では、ソーシャルメディア時代において組織がいかに瞬時に意思決定をして社会からの追求に真摯に対応できるかがリスクマネジメントの鉄則であることを指摘しています。自社のスキャンダルの火種を見つけたら外野が指を刺し始める前に自分で自分に指をさして、「即座に」「公に」「包み隠さず」アクションをとるのが鉄則。この3つのうちどれをミスってもブランドに長期的に大きな傷がつきます。一方で、時流に乗ってリアルタイムに動くことで、組織に大きな利益をもたらすこともあります。どんな組織もいつも完璧ではいられません。ネガティヴな出来事があっても、即座に真摯な対応をして改善することで逆に信頼性を得ることもできます。

クリーンでオープンであること。STAP事件の組織対応を教訓に、エディテージもさらにこのポリシーをぐいぐい推し進めていかなければいけないと感じます。世界で最もウェブの情報リテラシーが高い研究者の皆さんを相手にする企業も、組織も、研究機関も、同じようなオープン化を迫られているのかもしれません。

※カクタスでも、共催しているScience Talksの活動の中で「[STAPフォーラム] STAP細胞研究問題から見える、日本の研究システムの問題点と解決策は?」というトピックを立てて、研究者の皆さんからの意見やアイディアを募集しています。ぜひご協力ください。

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加納 愛/Ai Kanoh
カクタス・コミュニケーションズ
グローバルブランディングチーム
シニアマネージャー

勤務地 Mumbai, India

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